第11回 デザイナーさんですかぁパソコンとか得意なんですね

突然ですが、グラフィックデザイナーのみなさんは、自分の仕事の内容について、どうやって他の人に説明していますか?
自分の親とかデザイナー以外の友人に仕事の説明をするのが結構難しいのです。広告物を見せてこれを作っている仕事だ、というと「じゃあ、この絵を描いているの?」と「いや、違います。」「じゃあ、この写真撮ってるの?」と「いや、違います。」「じゃあ、この文章書いてるの?」と「いや、違います。」じゃあ何してるんでしょう?って自分でもなんだかわからなくなったり。最後に「パソコン得意じゃないとできないよね、すごいよね」と変な褒め方をされます(笑)。

たしかに、具体的な動作を考えると、コンピュータのマウスを持って、あっちのものをこっちに動かしたり、切ったり貼ったりなんでしょうけど、なんかそれも違うなと…。
それだけ見ると、誰でも出来そうなことなんですが、その作業の背景を考えていくと、そこには当然「目的」があるわけですよね。その目的とは何か?を考えていくと、端的な答えが、グラフィックデザイナーの担うべき役割「関係性の定義」にたどり着くと思うんです。

様々なクリエイターがデザインを構成する要素を生み出してくれます。フォトグラファー、イラストレーター、ライター、アーティスト、編集者…etc。それらの要素は一つの版面の中でお互いに影響する関係性を持って現れてくるべきで、それを定義するというのが、グラフィックデザイナーの一番大事な役割ではないでしょうか?
この「関係性の定義」はグラフィックデザインの本質に繋がる、とても大事な行為だと僕は思っています。デザイナーは役者ではなく、良き役者を活かす演出家なのです。

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本書の第5章は「レイアウト」について取り上げています。レイアウトという作業は、グラフィックデザインの作業において、特に重要な工程で、これまで述べてきた関係性の定義が凝縮された作業工程と考えられます。「レイアウト」が狭義の「デザイン」として認識されていることをあながち否定できないのも、ここかなぁと思ったりします。

ただ並べただけのものと、デザインされたもの。この2つを分つポイントはどこにあるのでしょうか?そんなところからこの章の導入が始まっています。コントラストや版面トーン、マージンやホワイトスペース、視線誘導、構図、揃えて崩す、など、まずレイアウトを合理的に作っていくための基本的なノウハウについて学びます。

後半は、2つの実践編を設けています。1つはペラものの制作としてA4チラシの制作過程を、依頼を受けてまずどうするか?ということから、順に解説しています。例えば前半に出て来た「揃えて崩す」ってどういうことなの?ということなどを、後半で実践の流れの中で説明しています。もう1つは雑誌デザインなどで見られる「グリッドシステム」の具体的な活用方法について。こちらはページものの制作を意識し、InDesignの操作にも少しだけ触れています。

この実践編は、意外とデザイン業ではない方が見ても面白いのではないかと思っています。デザイナーってこういうところを見てデザインしてるんだ!、と驚かれることがあるかもしれません。

「How to Design いちばん面白いデザインの教科書」ですが、いよいよ全国書籍発売されました!今まで自分の机の上にしかなかったこの表紙を、本屋の店頭で見かけるのがなんだか不思議な気分です。たくさんの方に手にとっていただければ嬉しいです!amazonでも引き続き売っていますので、お好きな方法でご購入いただければと思います。