第14回 ラーメンと餃子。

カイシです。今日は嬉しいです!なんと、「How to Design 一番面白いデザインの教科書」がamazonのグラフィックデザインカテゴリでなんとベストセラー1位を獲得しました!
明日になったらどうなってるかわからないので、いちおー、スクショを撮っておこう。これが証拠ということで(笑)。x

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さて、今回はデザインを発注する立場にも分かるお話を、と以前リクエストをいただいたこともあり、発注側に限った話ではないのですが、「デザインを頼む」とはどういうことか、自分の仕事の考え方についての話をしたいと思います。

そのために2011年に作りました、弊社の会社パンフレットのデザインを見てください。

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えーっと、説明不要のラーメンと餃子です。フードコーディネーターの先生にスタジオで調理していただき、会社パンフの表紙のためだけに撮りおろしました。具材も昔ながらのもの、実際に食べても美味しいものを作りました。(先生曰く、嘘ついても味は写真に映るそうです。)

結局、私の往生際の悪さで白黒に加工しちゃったんですが、今回はこの写真についてというよりは、なんでラーメンと餃子にしてるのかっていう話です。

普通デザイン事務所のパンフレットとかは、もっとミニマルであったり、洒脱なタイポグラフィーが並んでいたりしたほうが、それらしくていいんでしょうが。このラーメンと餃子の表紙には「僕がこんな風に仕事がしたい。」という思いを込めています。

「デザインを発注する」って行為、すごく分かりにくいですよね。でも、その対象がデザインという成果物というだけで、基本的には求めたいサービス・商品を要求して、対価をいただくという意味で普遍的な業態と何ら変わることがないと考えています。

例えば、中華料理屋です(私が中華好きなんで)。デザイナーは料理店のシェフ、お腹をすかせたお客さんをクライアントとしましょう。お客さんはこのお店にくる前からラーメン食べたくて食べたくて、ラーメンの口になっています。当然その場合「ラーメンください。」と頼むことでしょう。

あるデザイナーはこう言います。「お客さん、ラーメンなんて今時流行りませんよ。今は餃子がトレンドなので、餃子食べてくださいよ。」ってラーメン出さずに餃子を出す。こんな人は嫌いです。

いや、本質的にお客さんが餃子だけを必要としているのであれば、いいんですが、たいていはシェフが餃子を作りたい(作ってみたい)だけなのです。

あるデザイナーは無言で普通のラーメンを作り、出します。これはビジネスとしてはまっとうで正しいです。お客さんも納得した上で、お金を払って店を出て行くでしょう。

しかし、僕はこうありたいと思っています。ラーメンを食べているお客さんの横に餃子の小皿をそっと出し、「お客さん、今新しい餃子を考えていて、それがうまく出来たんです。お代は結構ですから、もしお腹に余裕があればちょっと食べて行ってください。」

食べないお客さんもいるでしょう。お客さんはラーメンしか注文していないのですから、腹を立ててはいけません。お腹に余裕があるお客さんは1口2口食べてくれるかもしれません。いやいや、本当にその餃子が良かったら全部食べてくれるかも。そんなお客さんはまたお店に来てくれます。そして、こう言うかもしれません。「あの餃子また頂戴!新しいメニューもあればぜひ!」

そんな頼まれたラーメンはもちろん作って、餃子もつくる仕事の仕方をしたいなって思い、表紙をラーメンと餃子にしたのでした。

もっと一流のシェフは、お客さんの話を聞いて、最適なコースメニューをコーディネートしちゃってるかもしれませんね。お客さんはシェフを信頼して委ね、それを楽しみにしている。

そんな風に、身近な料理店で例えると分かりやすくていろいろ面白い考えが浮かびます。