第19回 デザインプロセスのコミュニケーション

私はアートディレクターという仕事をやっている一方で、東京造形大学のグラフィックデザイン専攻の教員もやっています。私が受け持つ選択教科に「デジタルスキル演習」と「カイシゼミナール」の2つがあります。

「デジタルスキル演習」では、現在、デザインを仕上げるために切っても切りはなせないコンピュータの技術を、よりデザインの思考に結びつけて考える「頭と手をつなぐ」授業を展開しています。これを書籍化したいと考え、「How to Design いちばん面白いデザインの教科書」を発売し、おかげさまでベストセラーになりました。

残る「カイシゼミナール」ですが、この研究テーマとして「デザインプロセスのコミュニケーション」というのを設定しています。完成物ではなく、デザインを制作する工程そのものに着目した授業です。前者と同じように、この授業もいつか書籍化したいという思いから、「世の中で必要とされているにも関わらず、あまり世に見かけない」教科書をつくることにしました。

グラフィックデザインは「ビジュアルコミュニケーション」の手段であり、つくられたポスターやフライヤー、パッケージは、多くのコミュニケーションの機能を持ちます。しかし、それが世に生まれるまで、その工程には、様々な興味深いコミュニケーションが存在しています。おおげさに言うと、デザインはコミュニケーションの連鎖により作られるものだと定義しても過言ではないでしょう。そして、その過程は実に多様で、実に面白いものです。作られたものを見るよりも、作られる過程そのものが、何よりのエンターテインメントだと感じる機会も多いです。

前回のブログでも書きましたが、今回は僕が監修を行い、僕自身がこの人の作品が好きで、デザイナーとしても尊敬し、そしてなにより「この人のデザインを作るところを追っかけたいなー」と心から思った人に、共著のお願いをしました。

7つの媒体にわたり、それぞれのスペシャリストだと思った7人のアートディレクター、デザイナーの方です。

フリーペーパー:soda design タキ加奈子さん!
パッケージ:マスナガデザイン部 増永明子さん!
ポスター:博報堂 原野賢太郎さん!
シンボル ロゴ:Co’sy Design Studio 佐藤浩二さん!
小型グラフィック:coton design 酒井博子さん!
フライヤー:AD&D 髙谷 廉さん!

僕も末席ながら参加させていただいたいます。
CDジャケットのメイキング原稿を書きました。

企画立ち上げから、おおよそ10ケ月かかって、来年の年明けに世に出ます。
amazon.co.jpでも予約受付がはじまりました。

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これが初出の表紙です!!なつかしい教科書のような感じが出ればなあと。

仕事を追っかける、例えるなら、上記の方々のオフィスに1週間くらい、インターンをはしごするような感覚でしょうか。インターンよりも近いかもしれません。ディレクション中の背中ごし、PC画面の後ろに立って仕事を眺めているような感じです。

前作もそうですが、僕が本をつくるときの考え方は「こんな本、自分だったら欲しい!」という理想の本にすることです。今回もデザイン系の学生さん、グラフィックデザインに関わるお仕事をされているみなさん、企業の企画や宣伝部門の方々など、非常に多くの方にグっとくる内容なはずです。

共著の方の原稿を読んで、僕自身も目から鱗が落ちたことがたくさんありました。

次回は、この書籍のもっと深い内容に入っていきたいと思います!