第28回 たのしごとデザイン論、50の節題。

第25回で本を書くと予告しましたが、お約束通り年内に発売するため、優しい編集者に日々尻を叩いてもらいながら、無事脱稿いたしました!そして発売日と定価が決まりました。2016年11月15日発売、定価は税別1,600円です。
発売に向けて、この本がどのような本なのか、少しずつでもこのブログでお話しできればと思います。

amazonの解説文にも書かれていますが、本書を一言で言えば、「クリエイターが幸福に仕事をするための本」です。
純粋な気持ちでデザインや創作、表現系の道に進んだけれど、社会の波にもまれストレスを抱えている人、まだ学校などで勉強中だけど、社会で本当にクリエイションの仕事で食べていけるか不安な学生さん、日々の仕事は順調にこなしているけれど、ここから先の将来をどう考えて良いか分からなくなってしまった人、そういう人にあることを伝えたくて、この本を書きました。

みなさん元々ものづくりや、創造的な考えが好きで、この世界に飛び込んだり目指したりしたはずです。もの(コンテンツ)は作っているし、それを作るための方法論を記した書籍は世の中にたくさんある。

その上で僕がこの本で伝えたいことは、それをきちんと社会に還流させて、人に付加価値を与え、お金を稼ぎ、将来の自分のキャリアを形成していく、「美しい文脈(コンテクスト)作りがものづくりと同等、あるいはそれ以上に大事」だということ。

誰でも行きたい領域にひと飛びでいけるわけではありません。しかし、自分が少しずつ前に進むための種は、日々の活動に隠されています。それは、ものづくりの過程で生じるストレスを自分の予測可能な戦略の上に乗せ、ポジティブなたのしいことに変えていく、実践的な思考法によるものです。

ただ、それを具体的に教えてくれる本というのは意外と少ないのです。そこで今回この「たのしごとデザイン論」という本を書こうと決めたのでした。

「たのしごと」というのは、「たのしいこと」「楽しい仕事」そして「他の仕事」を表しています。クライアントや協力者、協業者とどうコミュニケーションをとり、一つのものを組み立てていくのか、前述の文脈作りにおいて「他者との関係性」が大きな鍵をにぎることも忘れないでほしいです。

この「文脈」ということを軸に、自分がこれまでデザイン、ディレクション業で巡らせてきた考え方や方法論を、ほぼ全て文章化して約10万文字にまとめました。そういう意味でこの本は自分の今の頭の中がまるごと言葉になって、そのまま紙束になったようなちょっと不思議な感覚も持ちます。

まだまだ話したいことはありますが、とりあえずこの辺で。最後に全5章、50の節題を発表して次回に続けたいと思います。それぞれどんな内容かは想像を巡らせてみてください。

次回はこの本の章立てがどのような構造になっているかを話していきたいと思います。

「たのしごとデザイン論」

第1章 デザインを知る、たのしごと。
1-1「あなたがつなげば世界は変わる。」
1-2「抽象化は誰かの目。」
1-3「マークは何のためにある?」
1-4「グラフィックデザイナーは平面彫刻家。」
1-5「忘れてはいけない、2つの軸。」
1-6「短期記憶のハードル。」
1-7「揃えと崩し。」
1-8「モニタの向こう側を考える。」

第2章 あなたとデザインを考える、たのしごと。
2-1「アイデアは0からは生まれない。」
2-2「木も森も見よう。」
2-3「ポスターは見てくれない」
2-4「コンピュータの良いところを考えよう。」
2-5「コンピュータの悪いところも考えよう。」
2-6「遊び場をつくろう。」
2-7「世界は爪からはじまる。」
2-8「パッケージはスーパーメディア。」
2-9「コストはお金だけじゃない。」
2-10「美しいことだけが正解ではない。」
2-11「センスの正体を知ろう。」

第3章 仲間との関係を学ぶ、たのしごと。
3-1「褒めるは最強ツール。」
3-2「写真ディレションのツボを知ろう。」
3-3「イラストレーションを照らしてみる。」
3-4「コピーライターの本当のしごと。」
3-5「印刷に会いにいこう。」
3-6「原風景を探そう。」
3-7「“一応”からの卒業。」
3-8「自分の居場所を見つけよう。」
3-9「入稿の本当の意味。」
3-10「伝えることは学ぶこと。」

第4章 クライアントとの関係を育てる、たのしごと。
4-1「ストーリーも絶賛販売中。」
4-2「包み方を変える。」
4-3「赤字インタビューをしよう。」
4-4「巻き込んで、味方をつくろう。」
4-5「コンセプトは、後からも効く。」
4-6「自分の仕事を評価しよう。」
4-7「ハードルを好きになろう。」
4-8「速さの裏の落とし穴。」
4-9「プレゼンはプレゼント。」
4-10「比喩力をつけよう。」
4-11「できる感度と落とす感度。」
4-12「仕事の価値を正しく測ろう。」
4-13「続くことを考えよう。」
4-14「ラーメンを出してから餃子を出そう。」

第5章 あなたのこれからを創る、たのしごと。
5-1「基礎研究と応用研究。」
5-2「模倣と創造の関係を考えよう。」
5-3「5つの力で自分を見つけよう。」
5-4「やりたい、から、やるべき、へ。」
5-5「自分の時計で動こう。」
5-6「スペシャリストか、ジェネラリストか。」
5-7「たのしくいこう。」

※節題は脱稿時のもので、実際の表記など変更になる場合があります。