第30回 コンテクストでつくる本(前編)。

前回のブログ更新からまた期間が空いてしまいましたが、その間にいろいろなことがありました。

なにより「たのしごとデザイン論」が、こんなに早いペースで重版になりました!!(嬉)

いわゆる「アプリケーションを使った具体的なデザインの手順書」ではないため、手にとっていただけるかどうかの不安もありましたが、自分が本当に伝えたいことは、きっと伝わると信じていてよかったと思いました。もちろん、まだまだ読んでもらいたい方はたくさんいるので、その人たちに残らず伝わるよう、これからも声を出し続けていきたいと思っています。

そして、昨年末から数ヶ月に渡り、いろんな場所で「たのしごとデザイン論」に関するイベントを行いました。

2016年11月10日:ワークショップ @二子玉川 蔦屋家電
2016年11月13日:トリガー舛本和也さんとのトークイベント @青山ブックセンター本店
2017年2月25日:カイシゼミ大阪出張 @梅田蔦屋書店
2017年3月11日:有馬トモユキさんとのトークイベント @下北沢 B&B

いろんな形で、自分の言葉で、本の内容やデザインでコミュニケーションすること、仕事として食べていくこと、いろんなことを伝えられる機会をいただけて、読者の皆さんと直接会ってお話することができて、本当にありがたかったです。

実はもう一つ、書籍関連で大切なお知らせがありますが、それはまた後日に回すことにしまして、今回と次回はこの「たのしごとデザイン論」の装丁やブックデザインについてのお話をしたいと思います。

tanoshigoto

これが「たのしごとデザイン論」の愛されカバー!

まずはこのカバー(表紙)のデザインからお伝えしたい。
本当にかわいいですよね!!

僕はアートディレクター、デザイナーの立場でもあるのですが、今回本のデザインやイラストについては、他の方にお願いしています。著者としての立場でデザインについては客観的に関わりたいという制作方針もあるのですが、最終的な仕上がりを見ると、自分だけでは実現不可能だった、まさに「たのしごと」にお世話になった、お気に入りの表紙になりました。

まず表紙イラストレーションです。そもそも編集担当のゴトケンさんは、当初から表紙に僕の顔写真を使いたかったらしいのですが、私がかたくなにお断りしました(笑)。そこで出された代案が、僕をイメージした似顔絵(楽しそうにデザインをしているキャラクター的な顔)を表紙イメージにすることでした。

「似顔絵」ということなら、とOKを出したのですが、問題は誰に描いてもらうかです。そこで僕は、せっかくの機会ならと、ずっと憧れだったアートディレクター・イラストレーター「藤枝リュウジさん」のお名前を挙げたのです。

藤枝リュウジさんといえば、日本を代表するプロダクション「サン・アド」出身のアートディレクター、その後、たくさんの大きな仕事をこなされ、私が大学生のときに出会ったNHKのパペット子供番組「ハッチポッチステーション」のキャラクター含むアートディレクションを担当された方です。その後、藤枝さんの世界は、同じパペット番組のシリーズ「クインテット」「フックブックロー」と続き、今でも「コレナンデ商会」にて色褪せないアートワークを見ることができます。

1943年生まれの僕の大先輩、間違いなく大御所のクラスにあたるクリエイターさん、「似顔絵なんてお願いして、失礼に当たらないか、、」と不安でしたが、なんと快諾いただきイラストレーションを描いてもらうことになりました。(そして、依頼したその日に飲みに誘っていただきました。)

時間がない制約も多いなか、こちらのリクエストも十二分に汲んでもらい、素晴らしいイラストレーションを仕上げていただきました。試行錯誤の上、たくさんの豊かな提案をしていただき、編集も、デザイナーも、僕も本当に悩み、これを活かすことのできる、装丁を必死で考えたのでした。

普段この本はみなさんのそばに友達のように置いてほしいと思っています。ときには作業机の隅において疲れたときにパラパラとめくったり、枕元に置いたり、カバーを外してカバンにぞんざいに突っ込んだり、とそういう寄りそい方です。

そのためにカバーを外したらまた別の顔が見えるようにも作りました。カバーを外したときの発見も楽しんでほしいのですが、今回はぜひ紹介したく、その姿を最後に載せておきます。サイン会などに来られたお客様にこの本表紙の話が好きというお話をしていただく機会があり、伝わった嬉しさを噛み締めたのでした。

hyoushi

史上こんなに、かわいい表紙のデザイン書はなかったと自負しています(笑)

次回はデザインや造本についての話をしたいと思います。