第31回 3年目の生まれ変わり。

前回エントリーの「コンテクストでつくる本」の後編ではなく(これは後日更新します)、この記事を書いている3月15日時点で、いよいよ発売1週間前となりました新刊「How to Design いちばん面白いデザインの教科書 改訂版」についての紹介をしたいと思っています。

この本はちょうど3年前の2014年3月24日に発売された同名書籍の改訂版にあたります。これを著した経緯は、このブログを始めるきっかけにもなった、このブログの第1回から読んでいただければ、それはもうよくわかるのですが、ほとんどの人が読むの面倒くさいと思いますので、もう一度まとめておきます。

タイトルこそちょっとふざけていますが、この本は大真面目に「今のコンピュータでデザインすることが当たり前な時代の、グラフィックデザインを実践的に学ぶ王道の教科書」を作りたかったのです。別の言い方をすれば、きちんとした理論を学び、その延長線上に実際の作業があることを、リアルに感じてもらいながら、デザインのスキルアップができる、そういう本を作ろうと思いました。(しかも、これを初心者が楽しく、わかりやすく学べる本!)

しかし書いてみると、本当に大変でした。DTPやデザイン手法の本などをよく読む方はご存知だと思いますが、見慣れた使い回しの文言の引用ばかり、また、アプリケーションの操作ばかりに終始していて「なぜその操作(技法)をするのか?」には言及していない本など、たくさんあります。僕の個人的な考えですが、良書は必ず著者自身による「自分だけの言葉」で書かれています。一言一句、現場で身につけた自分の言葉で書くことが、まずこの本で掲げた目標でした。

そんなこんなで、構想から出版までに2年かかってしまいましたが、おかげさまで重版をかさね、3年たった今でも、デザイン書店の棚に並び続ける、皆様に愛していただける本となりました。

今回の改訂版はこれらの内容を全て読みなおし、表記などをよりわかりやすいように改めたり、画面写真や引用している図版(作例)を新しいものに差し替えたり、新しくコラムを書きおろしたりしています。結構な手をかけて「今の本」として蘇らせました。

まずご紹介したいのが、Adobeのインターフェイスが全部黒になりました!(笑)。実はこの書籍執筆当初はAdobeの標準のインターフェイスが、白っぽいグレーから黒っぽいグレーに切り替わるときだったのですが、当時はまだ白いインターフェイスのほうが馴染みがあるだろうと(何より自分が黒に違和感を感じていたので)、全て画面写真を白にしていたのですが、もう今やすっかり、Adobeといえば黒!ですからね。

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もっとも分かりやすいトーンカーブの説明、と自負しているページ。色調補正はトーンカーブに始まり、トーンカーブに終わる!

そして、コラムも幾つか書き足したのですが、特に書きたかったのが「レイアウト分析」についての文章です。デザイン誌でレイアウト特集の記事を書いたり、セミナーでレイアウトについて話す機会がたびたびあり、このレイアウトを分析、評価して、自分の武器に変えていく方法をぜひ書きたいと思っていました。これらのコラムもセミナー登壇や大学の授業での、みなさんからのご質問がきっかけとなって生まれています。3年間の読者さんのフィードバックが反映されてアップデートされた本!と考えることもできます。

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どこに新しいコラムが増えたか、探してみてください。

さて、2017年3月22日発売をむかえたこの本ですが、発売記念の企画として、巻末の「パス入門」まるまる6ページ分のpdfを無料ダウンロードできるようにしました!

IllustratorやPhotoshopを使い始めると、行き詰まる項目の一つに「ペンツールの操作」があります。いわゆるパス(ベジェ曲線)をうまく描けないという悩みです。その悩みに答えるとき、1つの曲がり(セグメント)の挙動を読み解こうというアプローチをお勧めしています。1つのセグメントの扱いを丁寧にできると、複雑な線もそれらの連鎖でできているからです。実際に手を動かしながら読めようになっていますので、ぜひプリントアウトしてトライしてみてください。

ダウンロードはこちらから!
http://www.mdn.co.jp/di/book/3216303033/

「How to Design いちばん面白いデザインの教科書」はamazonでも好評予約中ですので、もしいち早く欲しい!と思ってくださる方は、ぜひご予約をお願いいたします。